睡眠と冷えの関係性について◎よく眠るためには



1.はじめに




コロナ騒動から数か月、お家でお仕事をしたり、お出かけしなくなったり、おうち時間が増えて
1日のサイクルが乱れてしまったかたが多いか思います。


スポーツジムにも行けなかったり、そもそも外に出かけにくくなったりと運動量も減りストレスがたまり・・・


よく眠れないこともあるかと思います。



そして「冷え」に悩まされている方も多いです。


からだが冷えると手足が冷たくなってジンジン痛んだり、肩こりや腰痛が出てきたり、生理痛がひどくなったりと体の不調が生じます。


また、からだが冷えると気分も落ち込みやすくなってストレスが増えたり、眠れなくなったりするなど精神的な不調も生じます。


さまざまな症状の原因になる「冷え」ですが、その中でも足が冷えて夜眠れないという方は多いのではないでしょうか。


実は、睡眠と冷えには切っても切れない深い関係があるのです。


今回は、そんな睡眠と冷えの関係性について詳しく解説していきます。





2.睡眠と冷えの関係



眠ろうと思っていざ布団に入ったのに、手足がジンジン冷えて眠れないといった経験はないでしょうか?


睡眠不足は次の日の体調にもかかわってきますし、なんとかしたいところです。


なぜ冷えがあると眠れないのでしょうか。


手足が冷えて眠れない理由には、体温調節のみだれと自律神経のみだれの大きく分けて2つの原因が考えられます。





2-1.体温調節のみだれ






まず、からだの体温調節のみだれが考えられます。


1日の中で人の体温は決まったパターンで変動しているのですが、冷えの方はそのパターンが崩れているのです。


健康な人は睡眠中体温が下がっており、そのまま朝を迎えます。



朝は体温が低めですが、起床したり朝ごはんを食べたりすることで徐々に体温が上がっていきます。


日中は活動しているため体温は高めとなり、夜にかけて徐々に下がっていくのです。


そして、お風呂に入り睡眠前には体温が下がって、やがて眠気がやってきます。


しかし、冷えが溜まっている方は違います。



1日を通して体温が低いままで日中になっても体温は上がらず、湯船に入らずさっとシャワーを浴びそのまま夜を迎えてしまいます。


睡眠前の自然な体温低下が起こらないため、眠気が起きません。その結果、なかなか寝つけないという状態になります。





 

2-2.自律神経のみだれ






次に、自律神経のみだれが考えられます。


自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられます。


交感神経は、心臓の血圧や脈を上げるなど日中の活動を支えてくれる自律神経で、スイッチで例えるなら「on」の状態を作るものです。


一方で、副交感神経は血圧や脈を下げてリラックスや休息をさせてくれる自律神経で、
スイッチで例えるなら「off」の状態を作るものです。



健康な人では眠る前に交感神経から副交感神経に切り替わってリラックスした状態になり、
眠気がやってきます。



しかし、冷えを持っている方は手足が冷たいままでストレスを感じているので、交感神経がずっと働いた状態です。


眠る前の副交感神経への切り替えが難しく、なかなか寝つけないという状態になります。





3.冷えで眠れないときの対処法




ここでは、冷えで眠れないときの対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。



   

3-1.朝日を浴びる



朝日を浴びることでセロトニンというホルモンが分泌され、体内時計がリセットされます。


交感神経が働きはじめ、体温も上昇してくるので冷えを持っている方にはおすすめです。


運動すると体温が上がるので、朝散歩を15~30分ほど行うのも効果的です。



   

3-2下半身が温かい服装をする



冷えとりを実践する方には定番ですが、靴下を重ね履きしたりレギンスを履いたりするなど
できるだけ日中から足元の温かい服装を心がけましょう。


冷えとりをして下半身と上半身の温度差をなくし日中の体温を高めることができ、睡眠前の体温低下が誘導されるので、
より眠りにつきやすくなります。



 

3-3半身浴をする



ここが一番大切な部分かもしれませんが
眠る1~2時間前に38~40度のぬるめのお湯で半身浴をするのも睡眠にとって効果的です。


お風呂の温熱効果と水圧によって血流が良くなり、代謝が促進されます。


睡眠前の体温低下と副交感神経への切り替えが誘導されるので寝つきがよくなります。



 

3-4湯たんぽなどを使ってからだを温める



足や仙骨付近(おしりの周り)を湯たんぽを使って温めるのも効果的です。


ち仕事の方は難しいと思いますが座ってお仕事をされる方は足元に湯たんぽを置き温めるとよいでしょう。


温めることでリラックス効果が期待でき、副交感神経が優位になって寝つきをよくしてくれます。

 



4.なぜ冷えとりをするとよく眠れるのか

足元を温めるということはそれだけで気持ちよさがあります。


冷えとりをすることで、常に頭寒足熱状態を保ち、半身浴をして体温自体も高まり
夜にかけて下がっていくことで眠気が起きます。



また、からだを温めることで体温調節を促したりリラックス効果を期待したりできます。


副交感神経への切り替えが促されて、寝つきもよくなります。


冷えとりを続けることで上半身と下半身の温度差をなくし、全体的な体温アップをすることで、睡眠の質もよくなるでしょう。


半身浴と靴下の重ね履き。これを続けるだけで不眠の解消を目指しましょう。




参考資料
〇https://www.nhk.or.jp/lifestyle/article/detail/00677.html
〇貴邑冨久子、根来英雄:シンプル生理学改訂第6版、(株)南江堂、2014
〇細田多穂:物理療法学テキスト改訂第2版、(株)南江堂、2016
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