東洋医学的冷えが起こる原因と体の仕組みと対処法について!

 

東洋医学的冷えが起こる原因と体の仕組みと対処法について

 

こんにちは!漢方薬剤師Kさんから冷えにまつわることについて教えて頂きました。

 

 

 

冷えとり健康法を長年やっていらっしゃる方は東洋医学についてご存知の方も多いかと思いますが

 

 

 

今回のテーマは下半身が冷える理由とからだの仕組みについて、

 

また冷えの対処法について伺いましたので是非冷えとりさんの参考にしていただけたら嬉しです!

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

 

<なんで下半身が冷えやすいのか?>

 

 

東洋医学では、私たちの体内の活動を「陰と陽」と捉えて、そのバランスが良いときが健康な状態だと考えます。

 

 

例えば人体を陰陽に分ければ上部は陽、下部は陰の性質が強くなり、

 

実際に足元は冷えやすく、頭はのぼせやすいということが起こりやすくなります。

 

 

実際にサーモグラフィーで確認して見ると、上部と下部では5度以上の温度差が生じる事も珍しくありません。

 

 

ではどうして、上部が熱く下部が冷えやすいのでしょうか?

 

それはお風呂にお湯を張るときやエアコンの例をみると分かりやすいと思いますが、

 

熱は上へ上へと上がる性質があり、どうしても上部に熱がこもりがちということが原因として考えられます。

 

東洋医学的には下部にある腎の陽気が不足し、腎の機能である水の扇動ができず水の上昇を妨げます。

 

その結果、上部にある心の火が腎からの水の力を借りられないため上部に熱症状が現れると考えます。

 

 

これがお風呂と同じ上部と下部の温度がバラバラになっている原因です。

 

他にも人間は二足歩行のため、上下の高低差も4足歩行の動物に比べ非常に大きくなっていることも一因です。

 

 

つまり陽である熱は陽である上部に居心地が良く、陰である冷えは陰である下部に居心地が良いということになり、

お互いが交流しにくくなってしまいます。

 

この状態が固定化され、陰陽の偏りが起こってしまっていると冷えのぼせという状態が起こり、

 

陰気が上に昇らずに上半身がノボセたり、陽気が下に降りずに足先が冷えたりしてしまいます。

 

 

この為に人体内では、陰である冷えが強まり、

この陰が上部を助ける事が出来ずに上部では熱症状が強くなってきます。

 

これを中医学では『心腎不交』といいます。

 

 

つまり、上部で起こるのぼせや熱症状というのは冷えが主な原因で起こっている仮の熱症状と言えます。

 

 

これを東洋医学では上熱下寒と言います。

 

 

<「万病のもと」である冷え解消のための漢方は?>

 

臨床では上部の熱の症状と下部の寒の症状の両方を治療する必要があります。

 

よく使われる漢方薬としては黄連と桂皮(シナモン)があります。

 

黄連は清心熱といって上部である心の熱を冷ます働き(清熱作用)があり、

桂皮は温腎陽といい下部の腎の陽気を補う働き(補陽作用)があります。

 

「慎斎遺書」という書物には、「補心しようとする者は腎を実際に補陽し、腎陽を上昇させなければならない。

腎を補おうとする者は心を落ち着け、心の熱を低下させるのは心と腎を交流させる方法である。」

 

とあります。

 

この黄連と桂皮の入った冷えのぼせによく使われる処方で『女神散(ニョシンサン)』という処方があります。

 

 

「女神散」は、浅田飴で有名な浅田家の処方「浅田家方」として知られ、

 

江戸時代、陣中の神経症(戦争ノイローゼ)を治すのに用いられました。

 

 

女神散は、別名、安栄湯と呼ばれていましたが、婦人の血の道症に用いて大変よく効果があったため、

 

漢方の最後の名医といわれた浅田宗伯によって女神散と名付けられました(『勿誤薬宝方函口訣』)

 

健康保険も使えますので、興味がある方は一度調べてみてはいかがでしょうか?

このように冷え?と言っても実際に冷えを認識出来る冷え性だけが冷えではなく、ほてりや発熱反応等も冷えが起こした病態といえます。

 

以前にも紹介させてもらいましたが、私の経験では病気が起こす症状は、慢性病の場合たいてい冷えが原因だと感じています。

 

しかし実際に臨床の場で患者さんの話を聞いてみると、冷えやすい体質にも関わらず、

 

日常的に体を冷やす食品や医薬品を摂取したりする生活を送っている方がよくみられます。

 

これでは、病気を治すために栄養のある食物や医薬品、健康食品をいくら摂取しても逆効果になりかねませんよね。

 

 

 

<そもそも頭寒足熱って何?>

 

 

それでは実際に冷えやすい体質を改善する方法を東洋医学的に解説していきたいと思います。

 

 

昔から健康法として「頭寒足熱」という言葉が使われていますが、心臓は全身に血液を送る働きがありますので、

一番遠い場所にある足を温めることで全身に温かい血液が行き渡りやすくなって心臓の働きを助け、

また頭を冷やすことで陰気(冷たい気)の上昇を促すということなのです。

 

また頭寒足熱で陰陽バランスが調うと自律神経の働きも調整されるので、リラックスして頭もスッキリという効果も期待できます。

 

 

実際に足首の冷えが改善されて、今まで冷えで寝つきが悪いのが、

夜が良く眠れるようになったという例が多くありました。

 

基本的に「頭寒足熱」と良く言いますが、冬場は足も頭も冷やさない方が良いので、

もし出かける際には帽子をかぶったり、厚めの靴下を履いたりすると良いでしょう。

 

 

その他に冷やさない方がよい部位に、臍、関節があります。

 

古来より「臍を冷やすな」というのは、

勿論、冬場に限らず通年を通してヘソ出しルックは厳禁という意味でもありますが、本来は「冷たいものを避ける」という意味です。

 

臍(お腹)を冷やしてしまうと内臓が冷え、腹痛や下痢ばかりか、身体が芯から冷えてしまい、

女性では生理痛の悪化や、ひどいと不妊にもつながります。

 

実際に不妊症の治療を長年していた方が、お腹を冷やさないようにしたらすぐに、

子宝に恵まれたという話は多くあります。

 

つまり見た目は悪いかもししれませんが、毛糸のパンツなど温かい下着は実に理に適った商品だと思いますよ!

 

また関節は冷やすと痛みが出てきたり、関節炎の原因となります。特に足首を冷やさないようにしてくださいね。

 

冬場に素足をさらして歩いているのは、自ら病気になりにいくようなものです。

 

~自宅でできるセルフケア!足を温めて健康イキイキ生活!~

 

 

自宅でできるセルフケアとしては、足湯がおすすめです。

お風呂ほどは熱くないぬるま湯くらいで、1020分でも良いので、毎日または一日おきにできると良いですね。

 

足首から下でも良いですが、膝下くらいあたためられるとより効果的です。(これは靴下にも同じことが言えますね)

 

足湯を行うと汗がじんわり出て身体がポカポカしてきますので、じんわりと汗が出てくるくらいまで行ってください。

 

もちろん、半身浴も良いですが、のぼせがある人は足湯の方がよかったりします。

 

半身浴の場合は心臓の位置くらいまで浸かりながら、手足の先を動かすと更に効果的です。

 

20分もすれば、発汗が始まりますので30分程度を目安に半身浴をしてください。

 

そうそう入浴前か途中でも構いませんので必ずコップ一杯から二杯程度の水分補給をしてくださいね^^

 

 

おススメ 自宅で出来る簡単!漢方足湯!

 

ヨモギ足浴

ヨモギの葉(艾葉)は、ヨモギ餅や怪我をした時の止血、

消炎作用などで民間薬として日本でも広く使われてきましたが、

漢方の本場、中国ではヨモギの葉を足湯に用いて、冷えやすい体質の改善、風邪の予防、頭痛の治療、免疫力の強化など幅広く使われています。

 

1、新鮮なヨモギの葉の50グラムまたは、乾燥したヨモギの葉を30グラム用意します。

2、次に1500ミリリットルの水を加えて煮ます。

315分ほど煎じたのちに、ヨモギの葉をすくい取ります。

4、最後に水を注ぎ45度くらいに温度を調節します。

注意⇒冷めたら、ヨモギを加えて、繰り返し足湯の薬湯を作ってもいいです。

ヨモギの葉で足湯をする時は温度に注意して、冷えたら火傷に注意しながら、再度お湯を入れてください。

 

また最初、足は熱いですが、上半身は寒くてしきりに震えますので、

湯気が散らないように、広い風通しの良いところで行わないように気をつけてください。
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。