冷え対策!有効な薬膳茶のすすめ

 
~寒い日は薬膳茶を飲んで、身体ポカポカになりませんか!~
中国で始まり、発展したお茶の歴史
お茶は中国で、古くからさまざまな飲み方で親しまれ、歴史とともに変化しながら、一般市民へと普及してきました。
中国の歴史の中で、お茶が登場するのは中国最古の薬物書である『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』といわれており、
最初は健康維持や疾病の治療の目的で使われたといわれています。
神農とは、古代中国の神とされ、草木の薬効を調べるために自らの体を使い、
何度も毒にあたっては薬草の力で甦ったといわれている伝説があります。
こうして自ら発見した薬の効能によって多くの民衆が救われ、神農は薬祖神としてその後、祀られるようになりました。
薬剤師の方も漢方薬の勉強をする際には、
この神農本草経は外すわけにはいけないというほど、今も大切に読まれている本です。
私たち日本人もお茶を飲む習慣がありますが、
最近になって緑茶に含まれる成分のカテキンに抗酸化作用や抗菌・抗ウイルス作用があり、
インフルエンザなどのウイルスに対する感染抑制効果が確認されています。
アメリカの栄養学専門誌「ジャーナル オブ ニュートリューション」で発表された情報によれば、
1日2杯緑茶を飲むとインフルエンザの発症率が38%、1日3~5杯の緑茶を飲めば同発症率が46%減少するという結果が出ており、
毎日、お茶を飲み、うがいをすれば、風邪やインフルエンザの予防になるかもしれません。
ところで本場中国では、薬膳茶という考え方が広く民間に普及しており、
お茶を日常飲んで健康維持に努めたり、体調がすぐれない時に体力の回復や悪いもの(邪)を追い出すために飲んだりします。
今回は冷えのある方にピッタリの健康薬膳茶をご紹介したいと思います。
 
寒い冬は『腎』を補うのと陽気を補う(または寒邪を追い出す)ことが重要な考え方!
漢方薬膳の世界では季節ごとに影響を受ける臓器があり、冬は「腎」が影響を受けると言われています。
「腎」は寒さに弱いので、働きが鈍くなれば冷えの症状が現れたり、老化が進むとも言われています。
ここでの「腎」とは西洋医学の腎臓ではなく、東洋医学では腎は先天と呼ばれ、
父母より受け継いだ生命力を意味し、
ヒトの成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギーを「腎気」とよんでいます。
腎気は、加齢により減少し、年齢を重ねると現れる腰痛や骨粗鬆症、
脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥・痒み、排尿障害や尿失禁、下肢の冷えやだるさなどは、
腎気が虚した状態、いわゆる「腎虚」の症状と考えられています。
また生まれつき成長が遅かったり、子供ができにくいなどの原因の一端も「腎虚」による場合があります。
ですので腎を補い、老化を緩やかにするためには、
カラダの機能を促進するエネルギーを補う薬材や陽気(カラダを温め内臓機能を促進する働き)
を補いながら内臓を温め体内から冷えを取り除く薬材の入った薬膳茶を摂ることをお勧めします。
特に女性は体全体の筋肉量が、男性に比べて30%前後少ないと言われています。
その結果、人間の体で発生する熱のほとんどは筋肉で作られているため、女性の体は男性よりも“冷えやすい”ということがいえます。
そのため冷えに伴う痛みやむくみ、婦人科系の病気などで、現代でも多くの女性が悩まされ続けています。
今のところ、この冷えを改善出来る薬は西洋医学に無く、
東洋医学には寒熱という考え方があるため、冷えは漢方の得意分野のひとつとなっています。
冷え症や寒がりの方におすすめの薬膳茶
紅棗(ホンザオ・赤いナツメ)茶
 
材料:乾燥紅棗 5g お好みで黒糖、生姜、枸杞の実、はちみつ 
作り方:
5gの紅棗を切り、芯を取り、茶碗またはポットに入れます。沸騰したお湯を注ぎ、5分ほど待ちます。
お好みで、枸杞の実や黒糖、はちみつなどを入れて頂いても美味しいですよ^^
冬に紅棗茶を飲むのは特におすすめです。
紅棗は体力増強、筋力強化効果があります。
また冠状動脈を拡張し、心筋収縮性を高めることができる成分や、癌を抑制することができる成分も含まれます。
さらに紅棗は糖度が高くカロリーが高いので、特に冬の栄養補給にも適しています。
紅棗はインターネットや中華料理の食材を扱っているお店で売られており、簡単に手に入ります。
また医薬品としても食品としても流通しており、一般の方でも食品として簡単に入手することができます。
因みに中国では、年頃の女性がいる家庭では、たいていこの紅棗をお菓子替わりに食べさせます。
それは紅棗には他のドライフルーツと比較して非常に多くの鉄分が含まれており、
胃腸を健やかにし(健脾和胃),血を増やしてくれるからです(养肝补血)。
本来、有経の女性ならば毎月の月経によって血を失っており、基本的に貧血傾向にあるといっても過言ではありません。
そして医薬品やサプリメントによく見られる鉄材特有の胃部不快感などもありません。
そのため胃腸虚弱な方や女性に特に適しているといわれています。
 
黒糖生姜湯
材料:生姜(薄切り)4~5枚 黒糖 適量
作り方:生姜は皮付きのまま使いますので、そのまま薄くスライスし、ティーポットに、生姜と水を入れ、加熱します。
沸騰したら弱火にして5分ほどしたら、お好みの量の黒糖を入れて出来上がりです。
*黒糖がなければ蜂蜜でもOKです。ただし、蜂蜜を使う場合、幼児には飲ませないでください。
生姜は身体を温める働きがあり(補陽、散寒)黒糖やはちみつは咳を沈めてくれる作用があります。
先に紹介した紅棗とも非常に相性が良いので、寒気がするときなど、一緒にお茶にするのもおすすめです。
また生姜の生のものは、補陽といって身体を温めてくれ胃腸の調子をよくしてくれますし、
乾燥して干したものは干生姜といってより身体を温める働きが強くなりますので(散寒)、より強く寒気があるときなどおすすめです。
桂皮茶
材料:桂皮10g 生姜(生)20g 紅棗5g 黒糖100g、松の実 少量
作り方:桂皮と生姜を細かく切り、棗も半分に切ります。
その後、水500mlに入れて桂皮と生姜を別々に沸騰させ、沸騰したら弱火にて20分ほど煮込みます。
できたものを混ぜて紅棗と黒糖を入れて、さらに5分強火にて5分煮れば完成です。お好みで松の実を入れて完成です。
桂皮は身体を温めてくれる食材で、スパイスやお菓子の原料としてよく使われます。
他にも冷えからくる腹痛や関節痛、月経痛などの痛みを和らげてくれますし、お腹を温め、胃腸のはたらきをよくして消化機能を高める働きもあります。
紅茶などにも加えてシナモンティーとするのも、冷え性の方にはお勧めです。
また桂皮の有効成分の桂皮アルデヒドは精油成分なので、時間が経つと発散して効果が薄れていきます。
香りが弱くなったものは、あまり使用しない様にして、
封を開けたものはしっかり密封して保管し、早めに使用するように心がけてください。
 
気をつけよう!身体を冷やすコーヒーや緑茶には取り過ぎ注意!
諸説ありますが、東洋医学的にいえば「コーヒーは体を冷やす飲み物」です。
理由として南国で栽培されるコーヒーや色の薄い緑茶などは身体を冷やす作用があるためで
このことはコーヒーに関わらず、暑い国で実るような食べ物は陰性と呼ばれ、体を冷やす性質を持つ場合が多く、
日本でも、夏に収穫できるような、ナスやキュウリ、スイカなど夏に採れてものは身体を冷やすので、注意が必要です。
最近は冬でもハウス栽培などで真冬でも夏の野菜や果物が簡単に手に入るので気を付けたいものですね^^
また逆に身体をあたためてくれる陽性の飲み物は、紅茶やほうじ茶、黒豆茶などです。
茶葉を焙煎したり、発酵させているような飲み物は性質として、身体をあたためてくれますので、
冷え性の方や冬には身体を温めてくれる飲み物がおすすめです。
実は先ほどの生姜や桂皮は紅茶やコーヒーに入れても相性が良いので、
市販のシナモンパウダーを買ってきて、シナモンティーやシナモンコーヒー、生姜紅茶にしても美味しく身体を温めてくれます。
ぜひ、皆さんも一度お試しくださいね^^
それでは、2021年の始まり、まだまだ寒さが続きますのでどうぞ温かくお過ごしください♪
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