“冷えとり”と“冷え性対策” 違いってなに?


こんにちは。
ひえとりソックスのお店 utataneの高橋です。


毎年暑い季節になると、店舗や施設の冷房がききすぎて体調管理が難しいという声があちこちで聞こえます。テレビ番組や雑誌でも“冷房対策”という言葉で毎年といって良い程、冷えについて特集が組まれています。



今年はコロナの影響で、ドアや窓を開放した状態で施設や店舗で冷房をきかせる 影響で場所によっては更に冷えを感じる季節になり、体調不良を抱えている方はより体調管理が難しい季節になりそうです。


冷えることで、体調が思わしくないと感じてらっしゃる方は元々冷えを体にためやすいのかもしれません。


そういった方にも、冷えを体感し易い暑い時期こそ冷えとりをお勧めしたいのですが【冷えとり】と【冷え性対策】の違いってご存知ですか?


「えっ、冷えとりと冷え性対策って違う」の?と思われた方へその違いや、冷えの仕組みや影響についてお伝えしたいと思います。


(今回の記事に関しまして進藤義晴氏(〜幸せになる医術 もっとちゃんと女性のための「冷えとり」生活〜2012 年 9月 26 日 PHP 研究所発行)、石原結實氏(〜“体の冷え”を取るとなぜ、病気が治るのか どんな体の不調も万病も改善できる!〜200 年 3 月 10 日三笠書房発行) の著書も参考にしております。)



体にたまった冷え=「水毒」をとるのが【冷えとり】


夏に冷えを感じ易い要因の一つとして、冷房にあたり冷たい飲み物をとる機会が増えることが挙げられます。熱がこもらないよう、または熱がこもった体を冷やすことで熱中症予防になり、冷やすことが必要なケースがあります。


冷やすことが必要な場面以外で、不必要に冷やされた冷えが体から逃れにくくなる方がいます。不必要に冷やさないように冷房が効いている部屋でストールを巻いたり、カーディガンを羽織ること、室内だけでなく外でも素足で過ごさないようにすることが【冷え性対策】です。


冷え性対策ももちろん、必要なことで対策しておくと体調が安定し易くなります。


このような冷え性対策とは違うのが【冷えとり】です。


全身に冷えはたまると言われていますが、特に下半身に冷えがたまりやすいと言われています。下半身に冷えがたまり易い要因として、下半身には熱を産生する臓器がないことが理由だとも言われています。


その結果、下半身より上半身の方が冷えている状態が生じてしまいます。


頭寒足熱という状態が体調を安定させるには良いと言われていますが、その逆転現象の頭熱足寒が起こってしまいます。その影響により、体の巡りが悪くなり耳鳴り・めまい、高血圧、生理痛や子宮内膜症などの体調不良を来すことがあります。

 


冷えがたまる状態として、体の余分な水分が毒となり不調を来すと言われています。この状態を東洋医学的には「冷え=水毒」と捉えるそうです。

冷えを取り除くことで、上半身下半身の体温のズレを整えるのが【冷えとり】です。


進藤義晴氏は著書でこのように述べています。


"冷えを「とる」ことで、体が本来もっている自然治癒力を正常に働かせ、健康に生き生きと暮らせるようにするのが、「冷えとり」です。"


冷えとりの方法は様々にあり、それらを実践することでかなりの時間を要する場合もあり、個人差はありますが不調が改善したという方もいらっしゃいます。



冷えの影響は全身におよぶ!





冷えると良くないということをお伝えしてきましたが、具体的にどのような仕組みで冷えがたまるのでしょうか?


まず、冷えの影響についてイメージし易い例を挙げます。石原結實氏はこのように著書で述べています。


"寝冷えをすると下痢(水様便)をしてお腹が痛むなどということはよく経験することです。"


これは水分を外に出して体を温め(水分は外に出たぶん、身体は温まる)、「冷え」から逃れようとする身体の反応です。 冷えて風邪をひくと鼻水が出るということも日常で良く見受けられます。


このように「冷え」「水」「痛み」は互いに関連しあっている現象なのです。

これは漢方的な考えにも一致しています。こちらの例を基に冷えると体に負担がかかることをご想像頂けたらと思います。下痢や鼻水など 具体的な冷えを感じたら予防・対処しようと考えますが、気がつかない冷えもあると言われてます。

普段、暑がりで汗をかきやすい方や足元が暑いと感じておられる方も体の中に冷えを抱え>ていると言われています。 特に女性は、体の構造上冷えをため易いと言われています。熱を産生させる筋肉量が少なく、脂肪の割合が多いことです。

他に冷えの原因として、外気温によるもの以外に食べ過ぎやストレスが関連していると言われています。食べ過ぎることで胃腸に負担がかかるだけでなく、 老廃物が体に溜まり易くなり冷えると言われています。

ストレスで冷える仕組みは、ストレスがかかり過ぎている状態では交感神経が優位になり、交感神経が優位になるということは、 血管が収縮している状態になるので冷えると言われています。

ストレスというと“大人事“と思われることが多いのではと思います。幼い頃でしたら家庭の中でストレスを感じることがあるでしょうし、 学校の中でもストレスを感じることはありますよね。

子供の頃からの環境や状況により、冷えをため易い体質になっていることもありますが これは意外と見過ごされ易い点かと思います。子供にも冷えが生じることで不調を来すことがあるという捉え方もできます。



冷えが体にどんな影響を与える?





足先や下半身が冷たいと感じる方は、「冷え」を抱えています。また、足が温かいとしても上半身と比べ温度が低ければそれは「冷え」があるということになるそうです。


下半身が冷える理由は、運動不足やホルモンバランスの乱れなどから毛細血管まで血液が回りにくくなり、寒いところにいることで毛細血管が縮み、 血行が悪くなり熱を発する内臓からは程遠い足先に血液が届きにくくなったことが原因です。

足が冷えることで陰と陽の気の乱れも生じ、健康に悪影響を及ぼします。

 


・頭痛や肩こり

冷え性の原因は、血液の循環が悪いこともあげられます。血液の循環が悪いと、肩こりや頭痛を引き起こしやすくなります。頭痛や肩こりは、何をするにもやる気が出なくなってしまいます。


・睡眠障害

手足が冷えてなかなか寝つけず、慢性的に睡眠不足になっているという方は多いようです。睡眠は、1日の疲れを回復させる為に大切なものです。
また、人は睡眠を取ることで免疫力をあげたり、記憶を定着させます。しっかりと睡眠をとらなければ、日中にだるさや眠気、集中力の低下など生活に影響を及ぼします。


・肌トラブル

冷え性になるということは、臓器や細胞の働きが悪くなるということです。 臓器や細胞がうまく機能しなくなると代謝が悪くなり、肌のターンオーバーの機能に影響を及ぼす為、肌トラブルが起こりやすくなります。

きちんとターンオーバーされないお肌には、角質が溜まってしまい、吹き出物ができやすくなります。また、色素沈着しやすくなるのでシミが増えます。


・不妊症

体全体の気血の流れが悪くなると、当然、子宮や卵巣などの婦人科系にも影響があります。子宮や卵巣の血流が悪くなるとうまく機能が働かなくなり、不妊症になってしまう恐れがあります。

また、月経不順や月経痛がひどくなったりします。


・痩せにくくなる

冷え性により基礎代謝が下がります。体が冷えると、老廃物を排出しにくくなるので水分や脂肪が溜まりやすくなります。 溜まった水分や脂肪はむくみ、セルライトになり、痩せにくくなる原因になります。


・浮腫
水は身体にとって大切なものですが、多すぎると様々な症状を引き起こします。
浮腫むことが原因で引き起こす症状が高血圧

・目まい・吐き気
足の浮腫による痛みや歩行のしづらさも生じることがあります。

・精神的な症状
イライラやうつ病の要因にもなると言われています。冷えることにより、
身体の不調をきたすことをきっかけに精神的な不調を来すという考えもあります。

上記した内容は、ごく一部です。ですが、全て冷えが原因とは言いきれないですので、一要因になり得ると思ってご参照頂ればと思います。 また、冷えをとることでこれらの不調が改善される可能性があると捉えて下さい。


冷えとりのキーワード「頭寒足熱」「腹八分目」「心地よく行う」



進藤義晴氏の著書(〜幸せになる医術 もっとちゃんと女性のための「冷えとり」生活
2012 年 9 月 26 日 PHP 研究所発行)を参考にしながらご紹介します。

様々な冷えとりの方法はありますが、手段を広げすぎて自分でもよく分からなくなってしまうことがあります。 それは、きっと体の不調を良くしたいという思いを強くもっているからそうなるのではないでしょうか。

そんな時に思い返して頂ければと思うのが「頭寒足熱」「腹八分目」「心地よく行う」というキーワードです。特に、心地よく行う、 穏やかに行う心の部分が大切だと思います。

早く改善したいという思いから、体の声をきかずに行うとかえって良い変化が出にくくなると言われています。 それは、目に見えない「心」が体の巡りに影響するからです。心や気持ちというのは脳にあると言われています。 体の声に耳を傾けながら素直な気持ちで冷えとりを行うことが大切です。

腹八分目は、文字通りに行ってみることからスタートされても良いと思います。冷えとりや体の為に摂ると「良い食べ物、摂ると良くない食べ物」を 調べてみると、たくさんの情報が出てきます。

それを見ただけで、体調改善への興味が薄れてしまいませんか?はじめから食材にこだわれそうにない方は、食べる量をいつもより減らしてみようかなと 意識するところから始めることをお勧めします。その意識をもたれるだけでも体が変化していくのを感じることがあります。




初めて冷えとりを行いたい方でも取り入れ易い、半身浴や足湯の方法について一部ご紹介します。

・半身浴、または足湯や湯たんぽ:半身浴のポイントは上半身は涼しく(腕や手も湯船に入れないこと)、 最低 20 分できればそれ以上長く入ると好ましいです。

湯の温度は、気持ちいいと感じてのんびり入っていられる温度が適度で、肌がピリピリする温度は高すぎます。 注意点は、長時間入る時はお湯の温度の下がり過ぎに注意し、追い焚きや湯を足したりして下さい。 また、お風呂から出た後は冷めないようにすぐに靴下を履くことや、足の指の間の水分もタオルで拭き取ると良いでしょう。

入浴が苦手!という方もいらっしゃいます。半身浴をして体が辛い時は無理しないで下さい。入浴が苦手な人方、怪我や時間の都合で入浴できない方は、 足湯や湯たんぽの活用も代用できます。

足湯は、深いバケツに湯を入れ、こちらも心地良さ+長くつかっていられる湯温で行います。お湯から上がった後は、 半身浴と同じように冷やさないように靴下を履くなどを行って下さい。

湯たんぽは、段ボールや木の箱に湯たんぽを入れ、毛布やブランケットなどをかけて行います。足は布と湯たんぽの間に入れます。 こちらの方法は、急な来客があった時に一回一回足を拭いて靴下を履かなくて行うことができます。

冷えとりには絹の靴下の重ね履きが良いと聞いたことがあるかもしれません。 これは、半身浴の代わりの方法と思って頂ければと思います。絹の靴下の重ね履き(天然繊維100%の靴下の重ね履き)は、 半身浴をされて「温めると心地いいかも」と感じた方が次に取り入れる方法としてお勧めします。


化繊の混じった靴下は、きつくて血行が悪くなったり蒸れてしまって汗で冷えてしまうことがあります。 そうならない為に、絹・毛・綿の天然素材で作られたゆるゆるの重ね履き用の靴下を用いると良いと言われています。

温かさを保つ為・蒸れない為に絹や綿、毛素材の靴下を何枚でも重ね履きをすると良いそうです。

(天然繊維100%の靴下を重ね履きするのが良いそうです。)興味をもたれた方は、まずは絹の(天然繊維の)靴下を試してみられてはと思います。

最初からはりきって買って、やっぱり合わないとか続かないと思われたらもったいないですので、履き心地を確かめてから複数枚購入し 重ね履きをされてみてはと思います。(まずはシルク5本指靴下から始まる4足重ね履きセットを購入して試してみるといいと思います。)


冷えとりの前に不調の原因を知る


ことから冷えとりの良いところや冷えとりを行うことのメリットをお伝えしてきましたが、 ここにきて冷えとりを行って頂く前に注意して頂きたいことをお伝えします。

特に、我慢できる程度の体調不良の原因が「冷え」だと思われないことです。はっきりと自覚できる不調であれば、 すぐに受診に行かれると思います。

この記事を読んでくださった方の中で、 恐らく今まで体の不調を感じられてきて内科などを受診され検査や治療をしても特に悪い所が見つからず 悩んできた方もいらっしゃるのではないかと思います。

その上でお読み頂いた方以外の方は特にご注意頂ければと思います。

「何となく不調」という感じ方をされている方は、受診するまでもないなということで冷えとりをされることもあるかもしれません。 ですが、「何となく不調」という状態をそのままにして時間が経ち、思わぬ病気が進行していた方のお話を伺ったことがあります。

不調をそのままにせずに治療していたら、ここまで悪化していなかったという事例もあり、治療機会を逃してしまうこともあります。

不調を感じている方はまず、医師に相談したり検診を受けられて、問題ないと判ってから冷えとりをされるとより安心ではないでしょうか。

記事を読んでくださり興味をもたれた皆さま、冷房などで冷えを感じ易い夏の季節だから
こそ【冷えとり】をスタートされることをお勧めします。

 

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